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2021インカレへ仕切り直しの過去記事掲載シリーズ、その5。
前回スイープの話に対して、今度はスカルについての記事となります。前回と同じく2020年7月の記事ですね。

昨年2020年は7月下旬から10月下旬までの3カ月間でインカレを制するという内容でしたが、いま2021年8月下旬からは10月下旬のインカレまで2カ月しかありません。短縮するつもりで内容を読んでくだされば幸いです。









さて、前回記事にも書きましたように開催が現時点で決まったインカレまで、3カ月となりました。(2021年8月現在、あと2カ月です)
この期間をフルに使って、インカレを制覇するために必要な取り組みを考えていきましょう。特に現状、活動段階として乗艇練習ではシングルスカルしかできないという団体があると聞いています。
シングルスカルはすべての艇種の基本となります。1Xによってボートに必要な能力をすべて向上させ、残り1カ月か1カ月半でクルーボートを組んで大会に仕上げていくことも可能かと思います。(しかしクルーボートで挑戦する場合は、だいたいどの艇種で行くかは決めておき、Rowingイメージや意思疎通は今からしっかり進めていくべきと思います)

1X必勝作戦、こんな記事を書こうと思ったのは前の記事でスイープの話題ばかりにふれていたからですね。そして1X練習の方のために何か参考になればという思いもあります。そしてそのままインカレに1Xでいくようなプランにもふれていきたいと思いますので、いうなれば1X特集ですね。
スカルもスイープもボートの主役。しっかりとどちらもクローズアップしていくのが大切だと考えます。

インカレに出ると決まったら、今は目標を決めて計画をしっかり立てなくてはいけません。短期スパンではありますが、それだけに少しも時間を無駄にすることはできずプラン策定が結果と成果を左右します。日本一の戦略をもってインカレに臨んでください。








1.目標設定
まずインカレに出る、そのためには目標を定めることです。
目標を決めることで計画と行動のレベルが変わります。これはコックス技術論⑪でもさんざん強調してきたことですね。
自分の現状をしっかり見きわめて、そこから最大限達成できるタイム目標を割り出します。そのタイムに見合う順位目標を掲げることです。
私のインカレ知識経験から、1Xでのエルゴスコアはこれくらいが必要です。70kgの軽量級選手イメージです。
65kgや80kgだったりした場合、エルゴ値が変わってきます。体重換算式に当てはめるとだいたいエルゴタイムを換算できます。
この場合、70kgタイムを基準にしたので、65kg漕手は係数0.981、75kg漕手は係数1.015、80kg漕手は係数1.029をエルゴタイムにかけ算してください。
つまり、70kg漕手のエルゴ6'30は390秒なので、65kg漕手だと0.981をかけて6'22に相当します。同様に75kgは6'36、80kgは6'41となります。70kgタイムに対しざっくり65kgは-5秒、75kgは+5秒、80kgは+10秒くらいの感じでいいと思います。

男子
エルゴ6'15 インカレM1X最大7'00前後 代表レベル
エルゴ6'25 インカレM1X最大7'10前後 優勝確実レベル
エルゴ6'30 インカレM1X最大7'15前後 優勝からメダル
エルゴ6'35 インカレM1X最大7'20前後 決勝レベル
エルゴ6'40 インカレM1X最大7'25~30 決勝から順位決定レベル
エルゴ6'45 インカレM1X最大7'30~35 最終日ボーダーライン
エルゴ6'50 インカレM1X最大7'35~45 インカレ準決勝レベル
エルゴ6'55 インカレM1X最大7'45前後 インカレ準決勝レベル

つまり、70kg漕手の場合インカレ出漕資格であるエルゴ6'55を切れば、テクニックとRowing体力を最大限磨くことで最大7'45くらいの艇速は望めるというように考えています。最終日を目標にしたい、となれば最大7'30まで見込めるエルゴ6'45を最低限要求したいところです。できれば6'40は必要ですが。65~67kgくらいの漕手ならエルゴ6'45は決勝の可能性もある70kg漕手の6'40くらいと評価できます。
このエルゴ6'40や6'45あたりを破れない選手は、インカレM1X予選で最も多い艇速である7'40~45ラインを突破できず、敗復を確実に上がることは難しくなります。


エルゴはたいへん重要です。やはりエルゴによって、最大タイムを決定づけると考えています。
このコロナ自粛期間、自宅でエルゴに励んで6'30を切る自己ベストを出した選手もいると聞いています。
2021年シーズン冒頭となる昨年11月の記事でもエルゴタイムは強調していましたね。
「2021年のインカレで優勝するために」

しかし、あと2カ月しか時間がありません。エルゴをしっかりトレーニングできた選手はよいのですが、できなかった選手も多いでしょうし、エルゴスコアが落ちてしまった方が多数ではないかと思われます。インカレまでのトレーニングでエルゴとUT、B1、B2などでしっかりとエルゴスコアに直結する有酸素能力を取り戻し、できるだけエルゴスコアを高めてください。インカレに向けたトレーニングは多くの選手がすさまじい質と量で追い込むので、測定しなくてもエルゴ値はかなり伸びることがほとんどです。
現在エルゴ7'00前後の選手は6'55を切ってインカレ出場が目標になると思いますが、それに加えて1Xタイム目標は高く7'45、あるいは最大7'40まで掲げて準決勝を目標にしてほしいです。現在7'00前後の選手にはたいへん高い目標です。普通なら1X8'00切れるかどうかですが、不可能ではありません。エルゴとUTラップにとことんこだわります。



女子のエルゴスコアは57kg基準にしました。52kg漕手は0.986、62kg漕手は1.018、67kg漕手は1.036をかけてください。しかしこれもざっくり-5秒、+5秒、+10秒くらいでいいと思います。57kg漕手の7'25は優勝レベルだが、62kg漕手の7'25は7'30くらいで見てくださいということです。

女子
エルゴ7'15 インカレW1X最大7'50前後 代表レベル
エルゴ7'25 インカレW1X最大8'00前後 優勝レベル
エルゴ7'30 インカレW1X最大8'00~10 優勝からメダル
エルゴ7'35 インカレW1X最大8'05~15 決勝レベル
エルゴ7'40 インカレW1X最大8'20前後 順位決定レベル
エルゴ7'45 インカレW1X最大8'20~30 最終日ボーダーライン
エルゴ7'50 インカレW1X最大8'25~35 インカレ準決勝レベル
エルゴ7'55 インカレW1X最大8'35前後 インカレ準決勝レベル



さて、現状基準で目標タイムを確認したら、しかしインカレまでのトレーニングによってエルゴスコアを高める前提でいないといけません。短期間でも男子漕手で例えば冬の最高値で6'35までクリアしていた選手だったら、3カ月で戻すつもりで臨み、かつ-2、3秒上乗せするくらいの目標であれば現実として最大限クリアできる可能性はあります。
こうした見込みの目標はじゅうぶんアリだと思いますので、この選手はインカレメダルかさらに優勝まで目標にしてもいいと思います。

T北大2020新歓PVより転載させていただきました

ちなみに、1Xはインカレの種目の中でも比較的体力レベルが高いです。
M2X、M4Xなどはエルゴ平均が6'40くらいでもじゅうぶんインカレメダルや優勝が可能な種目です。1X以上にクルーとして技術とイメージを高めることがより重要になるためある意味1Xより難しいかもしれませんが、こうした点において種目の選択をしていくことが必要だと思います。

W2XやW4Xなども、インカレでは7'25~30のスコアがあれば優勝は可能でしょう。平均7'30でぎりぎり優勝がいけるか、というところだと見ています。ちなみにおそらく今年から女子のクォドはW4X+がなくなりW4Xになるかと思います。
W4+の優勝タイムはR命館大のレベルが高すぎたので7'10が必要でしたが、今年はそこまでのタイムが必要かどうか。エルゴ7'30平均があればW4+7'15は可能かと見ていますが、7'10を切るには7'20~25という女子としてはたいへんハイレベルなエルゴ平均が必要でしょうね。そのうち日本にも7分を切るW4+が出てきたりするのでしょうか。








2.トレーニングの計画と実行
次に、目標を決めたら計画を立てます。1Xのトレーニングプランです。
2カ月間ほど1Xタイムとエルゴスコアというタイム達成のためにトレーニングを組み、レース1カ月くらい前からはピーキングのための追い込み期間と直前の回復のテーパリング期間、ここでは実戦的なメニューも意識して入れていく必要があるかと思います。

3カ月という短い期間から、ウェイトの筋肥大は効果が出るのに3カ月ないし4カ月くらいは必要と言われるので、筋肥大よりも筋持久メニュー中心がいいかもしれません。インカレまでに筋肥大による体重増加はなかなか難しいでしょうが、集中したトレーニングによって間違いなくフィジカルの密度と機能は向上するでしょうから持久中心であっても消費カロリーを考慮に入れて食事の量と栄養をじゅうぶん摂っていきます。

1X乗艇がたくさんできる状況であれば、乗艇中心でタイム向上にこだわります。陸トレよりエルゴ、エルゴより乗艇でメニューを組んでください。しかし追い込めるという点でエルゴの効果はたいへん高く、乗艇が出来ない場合はエルゴのトレーニングを多めにしたいところです。

技術の課題も出てくるはずですが、体力の向上と乗艇の慣れによってタイムがどれくらい向上しているのか、日々記録をして1週間単位でどれくらいのタイムやスコアだったか推移を確認、伸びをしっかりと把握して目標を常に意識してください。
1X乗艇であればタイムをとってくれる人はあまりいないでしょうから、ストロークコーチなどでタイム測定をして、1Xタイムをいつも確認していってください。




現状エルゴ6'40で目標6'35、インカレM1X7'25と決勝を目標とした場合、私の場合はコンスタントの500mラップを目標にしてもらいます。このコンスタントラップを練習で確実に出せるようになれば2000m目標タイムをクリアできると考えていますので、7'25のタイムはまず1'49-1'52-1'52-1'52とだいたい分解でき、3'41-3'44の前後半を刻み中盤のコンスタント力を生かしたレース展開を想定してトレーニングでのレースレート1'52を確実にクリアできるようにしてもらいます。
スタート得意なスプリント能力に優れた選手なら強みのスタートを生かした上でコンスタントタイム設定をしますが、そのへんは選手の個性を考慮していきます。

コーチによっては、低レートのテクニック、ブレードワークを徹底して基礎を固め、レートが上がるごとに艇速を出してもらうのでしょうが、私個人の考えとしてレースでの艇速タイムを出すために低レートトレーニングがあると考えていますのでレースでのコンスタントをひたすら想定します。ハイレートと低レートは別物ではありませんので、ハイレートのタイムを出すために低レートではそのための艇の動かし方と技術課題に取り組みます。

コンスタント1'52を出すためには、コンスタントレートSR32で1'52を達成するにはSR30で1'54、SR26で1'59、SR24で2'01~02、SR20で2'08、SR18で2'10~12という具合に、そのレートで必ずクリアすべきタイムが出てきます。この達成に、低レートトレーニングでも全力を尽くします。1XでのSR18からレースレートのSR30~32までにはおおよそ20秒ほどのタイム差がありますが、SR18で最低2'12、できれば2'10切りを常にめざしてほしいですね。ここでのリズムや艇の進め方を自分でみきわめ、ハイレートにつながる漕ぎなのかを分析します。中にはSR20そこそこで1X2'05とか2'02近くを出してしまう選手もおり、こういう選手はインカレ優勝できる選手だと思います。低レート2'15くらいまでだとハイレート1'55くらいまでが頑張っても限界なので、インカレ準決勝いけるかどうかであり、2'12と2'10のコンスタントな達成がひとつの低レートのめやすですね。1Xでは500mで3秒違うと2艇身も差が出ます。


ハイレートでタイムを出すために低レートではいくつかのポイントがあります。

①キャッチでしっかりブレードが固定されているか(ドライブ前半でハンドルが前に残ったまま艇が脚だけでしっかり動いているかを見る。すぐハンドルが流れていないかどうか)→ハイレートでキャッチ、ドライブの安定感につながる

②ビデオで見たとき艇が速い、という印象があるかどうか。つまりスライドで人が動くより艇が動いているかを見る。純粋に風景と艇を見比べて艇が進んでいるかどうか。ビデオがなければ自分で感覚を高めて艇の動きを感じる。スライドでスッと艇が寄ってきてたいへん安定しているかどうか→ハイレートで艇を動かすスライドの安定感につながる

③他には、漕ぎのサイクルでのリズムが良いか。人のリズムは良いか。艇のリズムは良いか。リラックスできているか。


このへんのポイントが押さえられていて、目標タイムが出ていればハイレートでも安定した漕ぎでしっかりタイムにつながるでしょう。








3.1Xの参考ビデオ
さて、Rowingではイメージがとても大切です。
繰り返しイメージの映像を思い浮かべることと、そのイメージ通りに身体と艇を動かしていく。その能力が高い人は、高いレベルの艇速をものにできるといえます。
1X特集としましたので、おすすめのイメージビデオを紹介します。

インカレ用なので、日本人選手におすすめはやはり軽量級トップスカラーですね。


まずは、リオ五輪でフランスのアズー選手がすでに引退している中、当代一の軽量級スカラーはこの人をおいていません。
東京五輪が開催されていたら間違いなくLM2X優勝候補ナンバーワンだったアイルランド、ポール・オドノバン選手です。

無尽蔵のスタミナで後半驚異のまくっての追い込みを見せる、ポール・オドノバン選手
World Rowingより


LM2Xのレースもおすすめですが、1Xとしての参考ビデオは2017世界選手権LM1X決勝ですね。
この選手の特長は、典型的なイーブンペースによって前半無理せず後半に上げてくることで前後半のタイム差が少ないことです。
ロスがなく、かつ艇と完全につながったコンスタントは世界一とも言え、特に第3が強くてここで勝負をかけてきます。このオドノバン選手のコンスタントとラストの漕ぎはたいへん参考になると思いますのでぜひご覧ください。
この2017世界選手権決勝レース、オドノバンは最初100mほどは全力でSR50近いものすごいスプリントを見せますがわずか20秒つまり100mほどですぐふわっとレートを落とします。さらに200m前には完全にコンスタントに落ち着けてたいへんリラックスしているのが分かります。周りは頭をとろうとスパートを続けていますが、ペース配分に絶対の自信を持っているので4番手に下がるもののしっかりとコンスタントで追随し第3で狙い通りトップに出るという完璧なレース運びをします。
このレースでは最後に追い込んでくるNZマシュー・ダナム選手のすさまじいスパートも参考にはなりますが、2着争いを尻目にすでに画面から消えてしまうほどオドノバンのラストが強かったです。
オドノバンの見せるガッチリと艇とつながる完璧なキャッチ、そして脚だけで艇を力強く運ぶハムストリングスを生かし最後まで体重を後ろに乗せた大きなドライブ、リラックスなど、イメージに使ってみてください。




もうひとりは、やはり世界のトップスカラーのひとり、ドイツLM2Xのストローク、ジェイソン・オズボーン選手です。
ドイツの超特急の異名を私が名付けましたが、オドノバンと違ってぶっとびのスタートで他艇を置き去りにします。

2018世界選手権LM1X予選で世界ベストの6'41を出した超特急、ジェイソン・オズボーン選手
World Rowingより


オドノバンの翌年、2018世界選手権LM1X決勝をご覧ください。
レーススタイルとして、やはり最大の特長はスタートの強さ。前半の漕ぎが大きい印象を与え、キャッチポジションで大柄な感じがしますよね。しかし、公称の身長はオドノバンの177cmに対し、このオズボーンは178cmだそうで、決して高身長すぎることはなく日本人選手と大差ありません。しかし、キャッチポジションでの乗せ方が素晴らしく、前半で大きく艇を動かしフィニッシュはコンパクトながらグッと艇が加速する、効率の良い漕ぎで、しかも高いレートでスタートスパートの勢いのままコンスタントで維持して行くタイプです。低い姿勢で体重を後ろ寄りに長くつながる印象のオドノバンとは、前半型とコンスタント型のペースメイクだけでなく漕ぎのスタイルも少し違いますよね。

オドノバンとオズボーン、どちらにも共通するのはたいへん漕ぎもリズムもスムーズでありレース中によく戦況を見渡しているところもポイントかと思います。最高のパフォーマンスをしていながらとても冷静に相手の位置やレース展開を把握しているので、スパートのタイミングや仕掛けも絶妙です。勝てる選手だなと思いますね。
フォームや動きだけでなく、こうしたトップ選手のあらゆるレースでの情報を逃さないように見ていくと、参考ビデオは実に豊富なヒントを与えてくれます。


※是非とも、この両者がLM2Xストロークとして相打つ限界突破のレース、2021の東京五輪LM2X決勝も参考動画にしてみてください!






インカレに向けて最高のプランでのぞみ最高のスタートを切って自分の目標にアタックしていってください!!



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2021インカレへ仕切り直しの過去記事掲載シリーズその4。
今回はサイドについてのお話で、2020年7月という昨年の記事ですね。

ぜひとも、スイープではまっすぐ進められるよう、的確なシート決めと技術で直進性と艇速を高めてください!










ボート競技にまつわる話題をもとに色々とあれこれ論じる内容が、皆さん興味があったりするのではないかと思います。技術的な内容があるとさらに良く、色んな情報やデータも載せると興味や話題作りとして効果があるかもしれませんね。


今回はスイープのサイド、役割としてのストロークサイドとバウサイドの比較を色々考えてみたいと思います。スカルの人にもぜひスイープに興味を持っていただければと思いますね。
サイドに関するこんな記事を書いてみようと思ったのは、N古屋大のだぎゃー新聞ブログを何気なく拝見したら「N古屋大ボート部用語辞典」とある中に、

【バウサイ】スイープ種目のサイドの一種。ストサイよりもはるかに難しく、そして美しい。誰もが憧れるサイドである。

という一文を見つけたのが気になったからですね。
もちろん学生さんが書くネタ的な内容かと思いますが、かなり皆さん、バウサイドを美化したい何かがあるようです(笑)。私からしたらいや、ストサイのほうが難しいですよと声を大にして言いたいです。私は自分ではバウサイのほうが得意だと勝手に思っています。(自意識過剰)

記事タイトルは特に意味はありませんが(笑)、もちろん昨年ひそかに注目を集めた2019年オッ盾出漕の「涙のバウサイドRC」さんをリスペクトしかつ拝借させていただきました。
ちなみに涙のバウサイドさんはオッ盾予選G組でO阪工大6'27、K視庁6'31、T大6'41、涙のバウサイド7'11という記録が残っており、このブログの読者の方ならだいたいレース展開はタイムだけで目に浮かぶと思われますが、この結果からきちんとしたエイトであり全員バウサイドというわけではなかったようです。いえ、もしかしたら全員バウサイドで結成され泣く泣く4人がストサイ初挑戦というクルーだったのかもわかりません。オッ盾に出るOBの急造クルーなどでは集まれるメンバーの中で常にサイド経験に偏りがつきものですから。
敗復は藻の影響で8レース中6レースが中止になるという大変残念な結果となりましたが涙のバウサイドRCさんの組も中止となってしまったのです。こうしたことからも、バウサイドは涙なしでは語れないのかもしれません。







1.他競技にみるサイド特性
さて、サイドというと私はよく野球の打席をイメージするのですが、ボートのストサイ、バウサイも全く同じといってもよいでしょう。左右非対称の競技動作によって、対となってボートを真っ直ぐ進めます。骨盤~脊椎~肩といたる左回旋のスイング動作が右打者でありバウサイド。右回旋が左打者でありストロークサイドです。実は右打者はバウサイ、左打者はストサイです。私はパワプロだったら右打者ストサイ、左打者バウサイにしますが。

ボートと野球が違うのは、ボートではストサイとバウサイが必ず同じ人数必要ですが、野球は右ばかりとか左ばかりでも構いません。野球では左バッターだけでも打順を組めますし例えば相手右投手に対して左打者7人とか極端に9人を並べるとかの戦術をとることもできたりします。基本的に左利きの絶対数は多くないのですから、野手も投手も全員右投げというチームは多いのではないでしょうか。必ずしも左投げや左打ちを頑張って用意しなくてもいいのです。
ピッチングやバッティングの理想的な競技動作ができるフォームが身につけば右サイドでも左サイドでも問題はありません。左投げや左打ちはあくまで対戦する右投げや右打ちに対抗するいわば武器として、あるいは右利きのために作られたフィールドにおいて一塁到達が速くなる理由で左打ちが有利になるなど、戦術的な需要として必要とされる役割であり、左の選手は何人いなければいけないという決まりはないのです。とはいえ有利だったり武器になるということで、他競技よりは左の選手を育てることが多くなるでしょう。

またサッカーなども左利き選手が比較的多いといいますか、サッカーの場合は左専門だけでなく左右どちらもしっかりと精度の高いキックができる選手が望ましいですよね。ピッチの左サイドを駆け上がると中央に送るパスは左足のほうが良いですが、右サイドであればゴール側に向かって巻いて蹴る左のキックは弾道としても身体の向きとしても角度的に有利となり重宝だったりします。左利きはレフティと呼ばれ天才肌の選手が多いなどともいわれます。
バスケ、バレー、テニス、卓球などなど左利き選手はさまざまな競技に存在しますが、野球とサッカーにおける左は個性でもあり武器としての機能が大きいぶん、一定以上の需要があるために競技の最初からだけでなく途中からでも左の練習をして転向に取り組むことがあります。





2.両サイドで真っ直ぐ進める原理
他競技の例を見てきましたが、しかしボートでは先ほどのように全員バウサイドというわけにいかないのです。
ボートを漕ぐというのはドライブでクラッチからリガーを介して艇に力を伝えて推進力を得る際、構造的に艇を曲げる力が一緒に働きます。つまり、サイドローです。これを相殺するために、両サイド同時に漕ぐ、つまりスカルでは1人が2本オールで漕ぎスイープでは2人単位で1本オールで漕ぐことが必要になります。両サイドで同時にサイドローをするということは、艇を曲げる力は左右から打ち消し合って、推進力だけ残るので直進するということになります。つまりこれが両舷のローですね。

以前、漕手技術論⑭の回で使ったドライブでのベクトルの図です。スイープ版を新しく作りました。片方サイドだけのサイドローだと、艇を曲げながら進みます。斜めに旋回していくわけですが、細長い艇は艇側面の水の抵抗も大きく、当然ですが競漕艇は直進を前提に設計されているのでスイープは1対の漕手で漕がないと真っ直ぐ進まないのです。



スカルはこちらです。1人で完結するので、ギュンギュン進みますね。スカルでもスイープでも片方だけだとサイドローであり、両舷で漕いだ時に艇を曲げる力が相殺されてキャッチ~ドライブでサイドからの力が噛み合う感覚を楽しんで漕ぐと、直進性がより増していくかもしれません。しかし、スカルでも両舷同時で同じパワーが難しいのに、スイープではやはり完全に両舷からの曲げる力とタイミングが一致させるのは至難の業というか、基本的にクイクイッと曲がって進むのを許容し調整しながら直進に近づけるのが大切といっていいでしょう。





3.カヌーでの艇の進め方
それから、同じ船のスポーツとしてカヌーやカヤックがあります。よくボートと比較されますが、意外とカヌーのことを知らない人が多いのではと思い、私もあまり詳しくありませんので載せてみました。以下は豆知識というか参考知識です。

「カヌー」というのは定義が難しく、いろいろな小型船をカヌーと呼んでいますが、Rowingのボートと違う点つまり前を向いて漕ぐというイメージで良いと思います。荷物を乗せて島々を移動する昔からの太平洋の乗り物だったり、カヌーと言えばレジャーのイメージも強いですがボートに関わる人は競技用カヌーを思い浮かべるかと思います。

さまざまな種類と競技がありますが、戸田コースなど共用のボートコースで練習しているのはカナディアン(カナディアンカヌー)とカヤックですね。直線コースでのレースをおこなうカヌースプリント競技の方々です。カヌーには直線レースのスプリント競技の他に、流れと蛇行のある川のコースを下るスラローム競技もあり、リオ五輪銅メダルで有名な羽根田卓也選手はカナディアンのスラロームです。

スロバキア留学などでカヌーの第1人者となった羽根田卓也選手は、スラローム男子カナディアンの種目でリオ五輪銅メダル。
激流の中、1本オール(シングルブレードパドル)で巧みに艇を操っていきます。
日本カヌー連盟Facebookより写真転載させていただきました


簡単に言えば、カヌーはオープンデッキ(艇内がすべて開いている)、カヤックはクローズドデッキ(艇内の座席以外が閉じている)であり、デッキがオープンだと水が入りやすいので穏やかな水面に適しており、クローズだと水が入りにくいので激しい水流の川などでも漕ぐことができます。(スラロームカナディアンでは閉じたデッキのカヤック艇を使っているようです)
そしてオールですが、カヌーやカヤックではオールを「パドル」と呼んでおり、カナディアンは片方だけのシングルブレードパドル。カヤックは両端にブレードが付いたダブルブレードパドルです。


ここでサイドの話になるわけですが、カナディアンは片方サイドで漕ぐのでサイドローだけを繰り返すイメージですが、フィニッシュに当たる漕ぎの最後にブレードを外に押し出したりすることで艇の回転を防ぎ曲がらないような漕ぎをするそうです。しかし1人乗りの場合であって、競技のカナディアンにはシングルだけでなくペアやフォアの種目があり、2人と4人だと両舷で漕ぐことになりこれはRowingのスイープっぽいですね。

カナディアンシングル
日本カヌー連盟Facebookより写真転載させていただきました



カナディアンペア。見た目がW2-という感じですね!カナディアンはフォアもあります。
日本カヌー連盟Facebookより写真転載させていただきました




それからカヤックはダブルブレードなので、基本的には左右のサイドを交互に漕いでいき、艇首が右や左に振れながら真っ直ぐ進めていきます。こちらも1人乗りのシングルのイメージが強いですが、ペアやフォアもありますので、こちらは1本オールとはいえ1人で両舷を漕ぐので、さしずめスカル競技、シングル、ダブル、クォードに似ていますね。

カヤックシングル。まさに1Xのレースのように迫力ある個人能力の戦いです。
日本カヌー連盟Facebookより写真転載させていただきました




カヤックフォア。カヤック4人乗りはスカルのクォドみたいですね!男子500m種目では1'30近いタイムを出すので、クォドと大きな艇速の差はありません!
日本カヌー連盟Facebookより写真転載させていただきました



そしてカナディアンもカヤックもリガーやクラッチがないことで、艇の進行方向に対し平行に水を押すことができるため、それほど艇が曲がらないというところもポイントです。面白いのはどちらにも「スイープ・ストローク」という艇を曲げて方向を回転させるための漕ぎ方があり、できるだけ前寄りの水をつかんで弧を描くように漕ぐと艇の向きを変えられるというのです。Rowingの場合は、まさにリガーで固定されたクラッチ回転によってこのスイープ・ストロークを繰り返している感じかもしれません。





4.右利きはバウサイドが漕ぎやすい?
あまりカヌーのことを書いてしまうとカヌーびいきになってしまいますね。しかし、ボートもよく間違われるとはいえ、カヌーやヨットなど似た他競技もしっかり知ったうえでリスペクトし、お互いを尊重しながら共通点や違いを大切にしたいものですね。そして互いに応援し合ってともに競い発展していく。この記事を書く上ではカヌーの記述は完全に寄り道に逸れた脱線話なのですが、ブログを書いていると脱線した話題が大きくなり詳しく調べて抜け出せないことがとても多いです。

さて、ボートのスイープ種目では必ず半数がストロークサイド、半数がバウサイドに分かれることになります。
なぜ冒頭でストサイが難しく、バウサイドのほうが簡単だと言ったのか。それはやはり人は右利きが多いという点にあります。世界でも日本でもおよそ9割が右利きだとされています。
右利きにはバウサイドが漕ぎやすい、というのは私の持論ですが多くの経験あるボートマンも右利きはバウサイ、左利きはストサイにするという共通見解を持っているようです。一見、そうか右利きはバウサイドではアウトハンドだからハンドルが扱いやすいのかな。でもストサイは右利きのほうがフェザーがしやすいから結局どちらが向いているとかないのでは、なんて思われるかもしれません。事実、私もボートを始めた時は右利きはストサイ向きと思っていました。

しかし右利きはバウサイドが漕ぎやすいと思います。これは私の感覚なのですが右利きだと左に回る動作がしやすいのです。右手に何かを持つと、必ず左回りの身体動作になります。物を投げる、棒を振るなど。身体の役割が、右手で何かの動作をするために左は右手の操作がしやすいように主導したり補助したりする動きとなるのです。

マーケティングの世界に「左回りの法則」というのがあるそうです。人が自然に動くときに通る経路は「左回りが良い」といわれています。(「左回り」とは左手が内側にくるよう回る、反時計回りのこと)
たとえばコンビニでは入り口から左側に雑誌、飲み物、弁当などよく売れる商品を配置することが多いと。ディズニーランドも左回りの法則にしたがって動いているそうです。多くは右利きであるため、左手にかごを持って右手で商品を取るので左回りのほうが取りやすくて好まれるのだとか。もちろん、土地の形や立地条件もあるので一概には言えません。
しかし、野球のベースも学校のトラックや陸上も、私たちは子どもの頃から左回りに慣れているのです。

つまりバウサイドも左にオールが来るためにインサイド回転をとるときに先ほど言った左回旋の動作をするわけですが、多くの右利き漕手はキャッチポジションがとりやすいはずなのです。そしてストサイだと少し工夫をしないと右回旋の姿勢が窮屈に硬く感じ、何となく力んでしまいます。これは右利きが右回旋動作に慣れておらず肩関節など少し硬いためだと私個人は考えているため、柔軟と何度も繰り返すことで慣れていくと思っています。





5.サイドのバランスと、両サイドをマスターすること
ボートのバランスにはたいへん重要な、リリース時のハンドルの押さえがあります。ハンドルの先端に重さをかけてブレードを水面から離すあのバランスメイク。これがないときちんとした艇のフラットもブレードを落とす両舷揃ったエントリーもできませんが、右利きの漕手は左手の押さえが甘くなる傾向があります。スカルならバウサイの手が甘くなり、スイープ初心者はストサイがしっかりアウトハンドに重さをかけきれていないことが多いです。この結果、バウサイのブレードは高い位置にあるのにストサイのクラッチが重くなるバランスの傾きによってストサイの水面が近すぎてストサイのキャッチが入りにくい、フィニッシュ抜けない、ということが起こりやすくなります。(リギングのハイトに原因があることもあります)
この感覚も利き手のほうがわかりやすく、逆の手は鈍い感じがありますが、これも意識して身につけ慣れることが必要です。

私の選手時代、コーチ時代のさまざまな経験則によってこのことが言えるのですが、右利きの初心者は皆バウサイドから始めたほうがいいのでは!?なんて思ったりもするのですが、それだとさすがに新人クルーが組めませんね。漕いだ経験の少ない私としては最初ストサイで全く漕げず、バウサイを漕いで初めてバランスが分かり、そのうえでどちらのサイドの動きもできるような感覚を得ましたので、最初から一貫して同じサイドというのはあまりおすすめではありません。転向を視野に入れて、スイープ選手がスカルも漕げるようにするのと同じく両サイド漕ぐことを前提とした方がいいという考えでいます。
最初から専門サイドを作らず、どちらも漕げるようにすることで、身体つきのバランスだけでなく結果的にどちらのサイドもうまく漕げるということです。「俺はストサイしか漕げない」「私は生粋のバウサイドだから」と決めつけず、どちらもうまく漕げるようにすることで改めて自分専門のサイドを突き詰め、真のストサイ、真のバウサイへと成長してください。

以前にも掲載させていただきましたが、おやじスカラーさんの記事にも新人のサイド分けに関する記事がありますのでリンクさせていただきます。
「おやじスカラー戸田便り エイトのシートと役割分担」

私もクルー編成についての記事の最後でサイドの決定についてふれています。
「クルー編成論~人を活かす磁場をつくるための、人事とポジション考察」

ご参考にしてみてください。





6.各サイドのヒーローたち
スイープにおいて、ストサイとバウサイは永遠のテーマというか自分の属性を決めるような役割としてこだわりが皆さんあるかもしれませんね。そこがスイープのひとつの楽しみというか。
といっても先ほどから言っていますように、両サイドをマスターして、スカルも全部漕げるようになってくださいね!

前項で挙げた私の過去記事では歴代主将のサイドを調べた企画がありました。
そこで、各チームの歴代主将はどっちサイドに多いのかを何と調べてみました。果たして、クルーとチームをまとめるリーダーシップはストサイから発揮されることが多いのか、あるいはバウサイがリーダーのサイドなのか。

途中でサイドチェンジしている場合のSサイドかBサイドかの判断は、長期かもしくは上の学年での印象が強いサイドと言うことになると思いますが、調べがつかない場合もありますのでアバウトになるのはご了承ください。スカル経験が多くサイドが決まらない場合やどちらも漕げると判断した場合はスイッチの両サイドとします。スカル専門でスイープ出漕が確認できない場合はカウントなしです。


ボート部歴代主将のサイド

R大(1988~2020年) 33年間
男子主将 Sサイド18名、Bサイド13名、スイッチ1名 
女子主将 Sサイド6名、Bサイド4名、スイッチ1名
R大にはもちろん詳しいので、R大は過去33年間を調べています。R大はトータルで見ると若干Sサイドが多めです。かつて部員数が少なかった頃の主将は整調を漕ぐエースという印象であり、ストサイならストサイ整調、バウサイならバウサイ整調を務める大黒柱でした。多くのチームでも実力ナンバーワンが主将ということが多数派と思いますが、部員が増えてきてからは真ん中やストロークの後ろ、あるいはバウや2番の後ろを務める主将も出てきてチーム全体を見渡すまとめ役も増えてきましたね。S、B、S、Bと順序良く毎年交互になることも多く、主将と次期主将が長く対校クルーでペアの対を組んで意識のたすきをつなぐことも多いです。部員が増えると同期の中で主将のパートナーを務められる強い選手が多くなります。


W大(2013~2020) 8年間
男子主将 Sサイド3名、Bサイド5名
女子主将 Sサイド3名、Bサイド3名

W大はあまり昔のネット情報は残っていませんでしたので過去8年間ほどです。2016~2018年3年連続Bサイド主将が続き、近年はBサイドがやや多めです。Sサイドの主将はM8+整調のイメージ、Bサイドの主将は技術とボートセンスに溢れたテクニシャンのイメージがあります。女子主将はO石選手やT屋選手といった一流スカラーの女子主将のスイープを見たことがなくこのお2人はスカルのみとして外した結果、3名ずつの同数ですが2017~2019までBサイドがやはり続きました。W大女子のスイープはもともとW2-やW8+で強かったですがW4+も新設されたので増えてきましたね。


T北大(1995~2020) 26年間
男子主将 Sサイド10名、Bサイド16名
女子主将 Sサイド4名、Bサイド1名

T北大に詳しい他大OBを自負する私が資料を当たって頑張って調べました。エイトの国立強豪T北大、これは顕著な傾向が出ましたね。Bサイド主将が多めとなりました。特に2010年代の最近10年間ではSサイド3名に対しBサイド7名と圧倒しています。2010年以前は特にバウサイ整調で引っ張る実力ナンバーワンでリズムとセンスに秀でた主将が対校M8+のストロークも見られましたが、近年は実力はもちろんですが真ん中やむしろバウフォアで全体を統率する主将が多いようですね。
女子は過去9年ほどを調べました。近年スカラーが多いのであまりスイープ出漕は多くなかったですが、たまにW8+も出すときに主将はストサイが多い様子です。


H橋大(2009~2020) 12年間
男子主将 Sサイド8名、Bサイド4名
女子主将 Sサイド3名、Bサイド2名?

H橋大は一気に強豪としてチーム躍進を果たした2009年からの調査です。この2009年は現H橋大にとってチームが生まれ変わった元年ともいえ、多くのボート部で定着しつつある年度スローガンを掲げて躍進する走りとなりました。「革命」のスローガンを掲げ、現監督であるS水HCのもと、N大出身のN村コーチを招聘。K藤主将とCOXのT川選手がM8+を率い、この年U23LM4-銀メダルに輝いた当時3年N野H志選手を核に、現在セーリングで活躍する当時2年K谷選手など多くの名選手を輩出、未経験チームでありながら「常強」であるHUBCスピリッツは10年以上たった今も強者のDNAとして受け継がれています。
過去12年間の中で男子主将は最初S、B、S、Bと規則正しく並んできましたが近年はSサイドの主将が多くなっていますので、現役の方は主将はSサイドのイメージが出てきているのではないでしょうか。N野選手(2010主将、Bサイド)やA川選手(2016主将、Sサイド)など日本代表クラスだけでなく、100名近い大所帯をまとめるためにさまざまなタイプの主将がいますがもちろん全員対校M8+の核となる選手でもあります。
女子も男子とともに強くなり2010年頃は全日本W8+で活躍し主将もスイープが得意でしたが、近年はW4+をインカレ対校にしたことで再びスイープに回帰している印象です。ただ、サイドについてはあまり調べきれませんでした。


N大(1995~2020) 26年間
男子主将 Sサイド15名、Bサイド9名
N大とM大はそれなりに知っていますのでNRMパンフなどにより主将調査をおこないました。サイドも記憶が正しければだいたいあっていると思います。Sサイドがかなり多くなり、特に私の現役時あたりは5年連続Sサイドでしたね。最近でも、2016~2019までSサイドが続きます。H選手、I藤選手、H江選手、I原選手。今年の主将Y田選手はBサイドのようです。N大の主将は実力者がもちろん務めますが、U23やジュニア代表などの超がつくようなJAPAN級はあまり主将にはなっていません。どちらかというとチームのバランスをとったり部の仕事をしっかりこなすためにチームを抜けることもある代表クラスより堅実なタイプの人選をしているかもしれません。ただし、ほぼ対校エイトに乗るスイープ選手が主将を任されています。といっても、JAPAN級も多いのですが。2人だけ調べがつかなかった主将があるので24人となります。


M大(1995~2020) 26年間
男子主将 Sサイド19名、Bサイド3名
女子主将 Sサイド1名、Bサイド1名

これは極端な結果が出ましたね。M大はほぼSサイドが主将になっているようです。N大と同じく、M大も力のあるスカラーばかり経験者で入ってくるわけですが、下級生の時はスカル種目でインカレ実績を挙げ、新人戦でスイープを漕ぎ、上級生でクルーのまとめ役になっていって主将に選ばれるケースが多いですかね。もちろん、1、2年でスイープ経験を重ねていく選手も多いです。
1990年代から2010年頃まで、強力なリーダーシップで明治を復活させた主将はみな先頭に立って整調を漕いだストロークタイプでSサイドを漕いでいます。いくつか例外があり、2005年はCOXが主将を務め、また2015年はT田C愛選手が女子ながら全体主将をしており、2019年もT島選手が女子で全体主将をしています。ちなみに女子主将でSサイド1名というのはT田C愛選手で、Bサイド1名はT島選手です。M大の女子主将はパンフレットでは調べにくかったので、人数が少ないですが2010年頃からM大は女子キャプテンを置いているはずですがサイドの調べが時間がなくてわかりませんでした。2016年の男子主将S井選手はエイト強豪校にしては珍しくほぼスカルのみ出漕の主将だと思われますので、カウントしませんでした。S井選手はスカル陣の主将という感じで、インカレフル種目出漕する強豪の多くはスイープリーダー、スカルリーダーを置いているのではないでしょうか。
この4人の例外がありましたが、とにかくM大はSサイド主将が多いようです。




というわけで今回の6チームだけというかなり狭い調査では、
男子主将
Sサイド 73名
Bサイド 50名


女子主将
Sサイド 17名
Bサイド 11名

という集計となり、6:4でSサイドが圧勝といってもいい結果となりました。サイド負けが激しい!まさに涙のバウサイド。


うーん、世界ではレッドグレーブやエリック・マレーなど偉大なリーダーがバウサイドに多い印象もあるのですが、やはりバウサイドは難しいサイドなのでしょうかね?(笑)

他にもたくさんのチームを調べられたらおそらく半々に近くなると思うのですが、とにかくこの調べ方だと主将とサイドの両方が調べられないと厳しいので、HPなどに過去の情報がたくさん載っているチームでないと分からずいつもながら偏った情報で申し訳ありません。
しかし、それなりに参考にはしていただけるのではないでしょうか。









いかがだったでしょうか。

サイドにまつわるさまざまな話、ボートをより楽しむ上でこうした変わった見方もできるかと思います。
そして、スカルを漕いでいる皆さんも、ぜひともスイープの魅力に一度はふれてみてください。Sサイドの人も、Bサイドの人も、積極的に反対サイドにチャレンジし、もっともっと上手に艇を進められるように楽しく上達していただければと思います。


コロナ期間の鬱憤を吹き飛ばし、感染防止に最大限努めながら、徐々に活動再開が始まりつつある中で短期間での向上を楽しんでください。


(※2020年7月のお話です。2021年8月現在も、こんな状況があと1カ月足らずで戻ってくれれば!)





2021インカレへ仕切り直しの過去記事掲載シリーズ、その3です。
今回もタイムについてのお話。

2017年の記事なので、その当時のお話も入っていますが、タイム基準、エルゴのスコアは2021年現在とそう大きくは変わらないので参考にできるところもあるかと思います。
インカレ優勝基準タイムには、2017年にはまだなかったW4+種目とW4Xを追加しました。(M2+とW4X+は残してあります。)

今思えば、荒川選手のエルゴ5'57は、世界選手権ではありますがちゃんとFinal Bレベルの範囲に設定してありますね。
もちろん、実際の艇速にとって、エルゴスコアは体重その他で単なるめやすの参考値にしかなりませんが、2000mタイムの最大値を推定するには重要なデータになるとかなり感じています。











では次に、具体的なタイムの基準を紹介してしまいましょう。
これは、実際に色んなレースや大会を調べていれば見えてくる基準です。

しかし、前回も以前も言っていますように、タイムはコース特性やコンディションによって大きく変わります。コンディションも、単純な風の順逆の差だけでなく、横風や波の高さ、順流・逆流、潮の干満、水温、水質やコースの深い浅い、湖・河川・海・ダム・人工コース、運河や水路など、さまざまな要因(物理的・化学的・地理的)によって千差万別です。
こうしたタイムの変化を、「基準値よりタイムが○秒速い(-○秒)」「基準値よりタイムが○秒かかる(+○秒)」として、プラスマイナスしていわゆる静水無風にタイム換算をしていくのがよいと考えます。

私は、世界のタイムも国内のタイムも、自分の長年ホームだった戸田コース静水無風のタイムとして換算し推定しています。
換算といっても、正式な換算式で計算したものでなく、完全に経験則からのだいたいのタイム推定ですが。




以上のことから、今回も基本的には個人的で適当な数字を出すだけですので、参考程度に見ていただくのがよいと思います。しかし、世界選手権やリオ五輪、インカレや全日本やその他多くの国内大会をおもにブログのために調べてきていますので、自分として多少は自信をもって提示ができる基準タイムです。
だいたいが、このブログ記事内容は私の長年の研究や積み重ね、そしてボート観などを披露し提供し続けるものでありそのための場であります。

よく現役学生などが「去年のインカレタイムを見て目標タイムを決めました」と言ったりするのですが、「いや、去年はこれは逆だったから参考にならないよ。M8+で5'57とかM4+で6'57とかでは今は優勝できないからね」と言ってあげたい気持です。少なくとも過去5年くらい調べて、あるいは時間があれば過去20年くらい調べて(!)、単純に順か逆かで+-のタイム推定をして、静水無風として目標タイムを出した方がいいのです。また、過去のタイムですから未来のタイムは変わります。目標設定は、勝敗をはっきりと分けますので、慎重にかつ可能な限り妥当性を追求してください。私は、目標設定が甘いために何度も負けた経験があります。現役学生や現役アスリートが勝つためには何度も負けられないのです。
そしていつも言っていますが、順で出たベストタイムはあてになりませんので、必ず自分たちの良いタイムも過大評価しないことがタイム評価のコツだと考えています。

こうしたことを頭に入れて、タイムは表面的にとらえないでほしいと思います。そして、よく競技を知らない人が「こんなタイムじゃ遅いよ!」と軽く扱ってしまう発言などをしてしまうかもしれません。しかし、タイムとはアスリート本人、そのほか関わる人たちなどすべての汗と努力の結晶によるパフォーマンスを表した数字です。生きた尊い数字です。敬意をもって扱うべき数字であることを念頭に置いて、しかし私は目標に対して足りないとかもっと上げようということを強調したりします。これは日本代表でも、競技を始めたばかりの新人でも、言ってみればタイムがすべてだからですね。
最大限尊重するいっぽう、厳しく要求しどんなに高めてもなお向上を求めるのがタイムです。向上を求めなくなったら、そこで競技者や指導者はやめるべきです。すべてエンジョイのために競技を楽しむ方向に向かうべきで、それもボートの一つです。しかし、競技者である限りは、不屈の向上者であるべきですね。




これも前提ですが、タイムは各大会レベルやレース展開などによっても大きく変動します。そして私はできるだけチェックしますが、どのクルーに誰が乗っているか、クルーのレベルをふまえないと妥当なタイム評価は難しいです。「これは速い」というクルーの選手に対し、「この選手は強い」という認識をして、チームと選手を覚えていったりします。現役選手やコーチ経験者はそういう目で見るのではないでしょうか。
タイム基準はめやすですので、幅を持った捉え方をしてください。これらも、長くボートを経験することによって身につく見方だと思います。


※エルゴ基準も乗せましたが、クルー平均のめやすで。だいたい、クルー内のエルゴが-5~+5秒くらいまでの幅がよいでしょう。
エルゴも、めやすでありそれほどスコアを出していなくとも上位に進むクルーがあります。
※世界ベストの記録も参考として載せていますが、多くは2014世界選手権でのタイムです。超順風だったので、無風ではざっくり+8~10秒くらいの換算で無風の実力に推定できると思います


世界選手権(2017年現在のレベル) 
※2021年追記 この記事は2017年に書いたので、2021年東京五輪でもたくさん出た世界ベストに対応しておりません。
しかし優勝レベルやFinal Aレベルなどはだいたい現在にも当てはまると思います。


優勝レベルは、同時にメダルレベルと言ってもよいでしょう。だいたい優勝から3位まで、1艇身~2艇身の差におさまりますので。
タイムは戸田静水無風のイメージ(この仮定は無意味ですが、どこかで基準を統一しないと比較できませんので)

男子軽量級
LM1X
世界ベスト 6'43"37 マルチェロ・ミアーニ イタリア(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  6'48~6'52 エルゴ基準6'00~6'10
Final Aレベル 6'52~6'58 エルゴ基準6'05~6'15
Final Bレベル 6'58~7'05 エルゴ基準6'10~6'20

LM2X
世界ベスト 6'05"36 南アフリカ(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  6'10~6'13 エルゴ基準6'02~6'08
Final Aレベル 6'12~6'18 エルゴ基準6'07~6'13
Final Bレベル 6'16~6'22 エルゴ基準6'10~6'20
Final Cレベル 6'20~6'28 エルゴ基準6'15~6'25
Final Dレベル 6'25~   エルゴ基準 6'20~

LM2-
世界ベスト 6'22"91 スイス(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  6'28~6'32 エルゴ基準6'08~6'12
Final Aレベル 6'30~6'40 エルゴ基準6'10~6'20
Final Bレベル 6'36~6'50 エルゴ基準6'16~6'30

LM4X
世界ベスト 5'42"75 ギリシャ(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  5'46~5'50 エルゴ基準6'10~6'15
Final Aレベル 5'48~5'58 エルゴ基準6'12~6'22
Final Bレベル 5'58~6'10 エルゴ基準6'22~6'32

LM4-
世界ベスト 5'43"16 デンマーク(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  5'48~5'50 エルゴ基準6'05~6'10
Final Aレベル 5'50~5'55 エルゴ基準6'10~6'15
Final Bレベル 5'53~6'00 エルゴ基準6'13~6'20

LM8+
世界ベスト 5'30"24 ドイツ(1992世界選手権カナダ・モントリオール)
優勝レベル  5'34~5'36 エルゴ基準6'14~6'16
Final Aレベル 5'35~5'40 エルゴ基準6'15~6'20
Final Bレベル 5'40~6'00 エルゴ基準6'20~6'40

男子オープン ※エルゴはオープン基準。軽量級+10~20kgを想定
M1X
世界ベスト 6'33"35 マーヘ・ドライスデール NZ(2009世界選手権ポーランド・ポズナン)
優勝レベル  6'36~6'42 エルゴ基準5'42~5'48
Final Aレベル 6'40~6'48 エルゴ基準5'44~5'52
Final Bレベル 6'45~6'54 エルゴ基準5'49~5'58

M2X
世界ベスト 5'59"72 クロアチア(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  6'03~6'07 エルゴ基準5'42~5'52
Final Aレベル 6'06~6'13 エルゴ基準5'50~5'57
Final Bレベル 6'12~6'18 エルゴ基準5'55~6'05
Final Cレベル 6'16~6'22 エルゴ基準6'00~6'10
Final Dレベル 6'24~   エルゴ基準 6'15~

M2-
世界ベスト 6'08"50 NZ(2012ロンドン五輪)
優勝レベル  6'14~6'16 エルゴ基準5'44~5'48
Final Aレベル 6'18~6'28 エルゴ基準5'46~5'58
Final Bレベル 6'26~6'40 エルゴ基準5'56~6'10

M2+
世界ベスト 6'33"26 NZ(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  6'45~6'50 エルゴ基準5'45~5'50
Final Aレベル 6'50~7'00 エルゴ基準5'50~6'00

M4X
世界ベスト 5'32"26 ウクライナ(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  5'38~5'42 エルゴ基準5'48~5'52
Final Aレベル 5'40~5'48 エルゴ基準5'50~6'00
Final Bレベル 5'45~5'52 エルゴ基準5'55~6'08

M4-
世界ベスト 5'37"86 イギリス(2012ワールドカップ第2戦スイス・ルツェルン)
優勝レベル  5'42~5'45 エルゴ基準5'45~5'50
Final Aレベル 5'44~5'52 エルゴ基準5'50~5'58
Final Bレベル 5'50~5'58 エルゴ基準5'55~6'03

M8+
世界ベスト 5'19"35 カナダ(2012ワールドカップ第2戦スイス・ルツェルン)
優勝レベル  5'23~5'25 エルゴ基準5'48~5'52
Final Aレベル 5'25~5'30 エルゴ基準5'50~6'00
Final Bレベル 5'29~5'35 エルゴ基準5'54~6'10



女子軽量級
LW1X
世界ベスト 7'24"46 ゾーイ・マクブライド NZ(2015ワールドカップ第2戦イタリア・バレーゼ)
優勝レベル  7'28~7'32 エルゴ基準6'55~7'00
Final Aレベル 7'32~7'40 エルゴ基準7'00~7'10
Final Bレベル 7'40~7'50 エルゴ基準7'05~7'15

LW2X
世界ベスト 6'47"69 オランダ(2016ワールドカップ第3戦ポーランド・ポズナン)
優勝レベル  6'50~6'54 エルゴ基準6'55~7'00
Final Aレベル 6'52~6'58 エルゴ基準6'55~7'03
Final Bレベル 6'56~7'02 エルゴ基準6'58~7'05
Final Cレベル 7'02~7'10 エルゴ基準7'05~7'13
Final Dレベル 7'10~   エルゴ基準 7'12~

LW4X
世界ベスト 6'15"95 オランダ(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  6'22~6'26 エルゴ基準6'55~7'02
Final Aレベル 6'25~6'32 エルゴ基準6'58~7'08

女子オープン ※エルゴはオープン基準。軽量級+10~20kgを想定
W1X
世界ベスト 7'07"71 ネイコヴァ ブルガリア(2002世界選手権スペイン・セビリア)
優勝レベル  7'12~7'18 エルゴ基準6'30~6'35
Final Aレベル 7'15~7'28 エルゴ基準6'30~6'40
Final Bレベル 7'25~7'32 エルゴ基準6'35~6'42

W2X
世界ベスト 6'37"31 オーストラリア(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  6'44~6'46 エルゴ基準6'30~6'40
Final Aレベル 6'45~6'50 エルゴ基準6'32~6'40
Final Bレベル 6'48~6'55 エルゴ基準6'35~6'45
Final Cレベル 6'55~7'05 エルゴ基準6'40~6'55

W2-
世界ベスト 6'50"61 イギリス(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  6'52~6'55 エルゴ基準6'30~6'35
Final Aレベル 6'55~7'07 エルゴ基準6'35~6'45
Final Bレベル 7'10~  エルゴ基準6'45~

W4X
世界ベスト 6'06"84 ドイツ(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  6'14~6'18 エルゴ基準6'32~6'40
Final Aレベル 6'16~6'25 エルゴ基準6'35~6'45
Final Bレベル 6'22~  エルゴ基準6'40~

W4-
世界ベスト 6'14"36 NZ(2014世界選手権オランダ・アムステルダム)
優勝レベル  6'22~6'26 エルゴ基準6'35~6'40
Final Aレベル 6'25~6'32 エルゴ基準6'38~6'48

W8+
世界ベスト 5'54"16 アメリカ(2013ワールドカップ第3戦スイス・ルツェルン)
優勝レベル  5'58~6'00 エルゴ基準6'33~6'40
Final Aレベル 6'00~6'05 エルゴ基準6'36~6'42
Final Bレベル 6'05~6'15 エルゴ基準6'40~6'50




こんな感じです。

いま行われている2017ワールドカップ第2戦では、予選上位のクルーはかなりタイムが出ていましたね。例えばLM1X予選では
6'48 ブルン選手(ノルウェー、リオ五輪LM2X銅)
6'49 ミコライチェフスキ選手(ポーランド、リオ五輪LM2X6位)
6'50 ババツ選手(スロバキア、2016世界選手権LM1X3位)
6'52 フルバト選手(スロベニア、2016世界選手権LM1X4位、2016ワールドカップ第1戦LM1X優勝)
6'53 ダナム選手(NZ、2016ワールドカップLM4-第2戦、第3戦優勝)

などなど、6'50前後に7~8クルーがひしめき合う混戦です。日本のF井選手は7'02、T田選手は7'05と、国内レースよりも速いタイムを出しているのではないかと推測できます。
LW1Xなども7'30前後の好タイムを出した上位クルーがたくさんおり、やはり日本のT田選手の7'49、T島選手の7'51も国内よりタイムを出していると思われます。
そういうわけで、他の種目もタイムをすべて見ましたが、私の基準に出した戸田で出す想定のタイムよりも、-5秒くらいは良いタイムが出ている、予選のこの時間帯、このコースは速いタイムが出ていると、私なら推定してタイム評価をします。

この第2戦の会場、ポーランド・ポズナンのマルタ湖は、過去にも世界ベストが出ているように比較的速いタイムが出るコース特性があるといえるでしょう。
このようにして、もちろんタイムが出た際に各クルーの実力も考慮して、素晴らしいレースをしたときはもちろんすごいタイムが飛び出すのですから、そのように推しはかる評価をして、タイム基準を持っていくことですね。


そして、先ほど挙げた私が基準として持っている世界のタイム基準は、今は世界のレベルが年々上がっていますのですでに少し低いかもしれません。当然ですが、現場で強化をしているコーチたちはもっと高い目標タイムの基準をもって取り組んでいますので、これらの基準を破る競争を各国、各チームがしているわけです。


もう一度ざっくりいうと、
世界一基準タイム(世界選手権優勝の基準タイム)
男子
LM1X 6'50
LM2X 6'10
LM2- 6'28
LM4X 5'48
LM4- 5'50
LM8+ 5'35
M1X  6'38
M2X  6'05
M2-  6'15
M2+  6'48
M4X  5'40
M4-  5'42
M8+  5'24

女子
LW1X 7'28
LW2X 6'50
LW4X 6'25
W1X  7'15
W2X  6'45
W2-  6'52
W4X  6'15
W4-  6'24
W8+  6''00

このタイムより上か、下かくらいでレベルを測り、コンディションを考慮するという感じです。私のだいたいの基準としてです。
この中で、それぞれ傾向と種目間レベル格差も考慮しています。
LM2Xは今後ますますレベルが上がり、相対的にLM4-は五輪種目ではなくなったので今後レベルは落ちるだろう。(エントリー数も激減!?)それにともない、LM1X、LM4Xはレベルが上がりそう。
M2-とM2+はキウイペアがいる想定での基準、今後レベルが下がるかどうか。M4-も本命イギリスがいる想定での基準。
LW2Xは最もレベル向上が著しい種目か。W2-はスタニング、グラバーのイギリスW2-がいる基準。W4-は五輪種目となりレベル向上が予想される。W8+はアメリカがいるので6'00切りでもよい。
そのように、毎回のレベルは出漕クルーやパフォーマンスによっても変動しますので、こういうのは本当にめやすなのです。

世界選手権優勝レベルとしましたが、東京五輪では2秒~最大5秒まで、上がる見込みを立てて日本代表には高いタイム基準をもってチャレンジしていただきたいと思っています。
口で言うのは本当に簡単ですが、たいへん困難で高い壁ではありますが、まずは高い目標意識で世界トップ基準を目標にしてがんばっていただきたいと思います!

※日本はどんどんオープンのチャレンジをしていって劇的なレベルアップを遂げてほしいです。男子はやはりエルゴ6分を切らないとまだ勝負の土俵に乗れないか。
個人的には、女子オープンのS原選手とY川選手はもう少しエルゴを伸ばせば世界でも遜色ないレベルに達するので、W2-やもう数人オープン有望選手を発掘しW4-にチャレンジするなどスイープでも勇姿を見てみたいですね。





それから、今度は国内タイムを見てみましょう。
インカレ基準タイムですが、全部出してしまうのもどうかと思うので、私の考える優勝タイムの基準数字だけ載せておきます。


インカレ優勝基準タイム(2017年現在のレベル)
※2021年追記 M2Xが6'40前後、W2-が7'40前後に上がっている感じがします。他はだいたい2021年現在も以下のとおりだと見ています。
タイムは戸田静水無風のイメージ

男子
M1X 7'15
M2X 6'45
M2- 6'55
M2+ 7'32
M4X 6'05
M4- 6'15
M4+ 6'32
M8+ 5'45

女子
W1X 7'50
W2X 7'20
W2- 7'45
W4X 6'45~50
W4+ 7'10~15
W4X+7'05


これもざっくりです。代表クラスが出漕すると、タイム基準は順次上がります。
男子では、M4Xは少し高めに設定しています。女子は、W1Xは例えばT島さん(当時M大)が出てくるとこの代表選手に勝たなくては優勝できないので、上げています。数年前までは、私の基準では8'00切ればインカレW1X優勝だったのですが、当然相手関係で基準は変動します。W2Xも高めにしています。逆に、W2-やW4X+は、W1XやW2Xに比べるともう少しレベルアップが必要でしょう。
だいたい、これより速いか遅いかで、タイムがコンディションによって変わったりレベルや出来の評価をしたりしています。

そのほかにも色々自分の中では基準やめやすがあるのですが、こういった基準をもつことで、色んなクルーの実際の実力やパフォーマンスを比べたりすることができるのではないかと思っています。


全日本はインカレよりも+α、(タイムにしたら-○秒ですが)タイム基準を上げます。例えば、インカレM2Xと全日本M2Xは15秒以上レベル差があったりしますし、インカレ優勝タイムで全日本優勝できる種目もあります。
しかし、望みたいのは、インカレも全日本も、世界基準をめざし、もっともっと、日本国内のパフォーマンスが世界基準をめざして向上していくことですね。日本国内のレベルアップなくして、世界トップへの道は開けない、そう考えています。

ちなみにインカレタイムと世界レベルを比較すると、例えばW2-では7'45がインカレ優勝基準タイムとすると、世界一のイギリスW2-とは6'52ということで、53秒、下手すれば1分もの違いがあります。これが世界との差です。
しかし、インカレ優勝W2-のエルゴは平均7'35~40くらいだろう。世界一W2-はエルゴ6'35くらいだと私は推測しています。重量級かどうかの体重換算も影響はしますが、単純にエルゴでは1分近く違う推測ができ、実際の艇速も同じように並べたら1分もの差がついてしまうだろう。これがどれくらいの差か、500mラップ15秒の違いを想像してみてください。
このように、世界との差をもっと意識することで、優勝しても謙虚にかつ限りない向上心を持つことができると思います。




タイムに関する基準を持ち、常に大学トップレベル、日本トップレベル、世界トップレベルと同じ土俵で対戦しながらタイム意識や目標意識を向上させ、日頃の練習において常にタイムと格闘し伸ばしていき、それが質と精神の向上につながるよう、いざ本番で素晴らしい競り合いと互角以上の力比べができるように。
明確な基準を持って艇速を高める日々のレースを戦っていきましょう。


本日、インカレ全日本の延期についても記事に書きました。これから決まり次第発表がなされると思われる開催方法について、私個人の意見や希望ですが私見を述べております。よろしければそちらもご覧ください。



それでは、2021インカレへ仕切り直しの過去記事掲載シリーズです。
今回はタイムについてのお話です。

2017年の記事なので、その当時のお話もそのまま掲載されています。リオが終わり、東京2020へ向けた初年度でしたね。










さて、前回はクルー編成を見てきましたが、今回のテーマは強化のヒントシリーズとしてタイムに関して考察していきます。
そうですね、2年前の同じ時期に
「タイムは絶対の指標だが、数字を信用しすぎてはいけない」
こんな記事を書きました。ボート競技におけるタイムは絶対の指標である。タイムの正しい評価に気をつけて、練習やレースで役立てましょうということです。
特にラフコンやコース特性によって同じ数値でも評価が異なる場合が出ます。例えば、昨日の西日本選手権のタイムはかなり良いタイムが続出で、やはり大阪の浜寺コースはタイムが速い印象です。
それに加えて、計測のばらつきやタイムの意味する内容を吟味して、最大限に活用することが大切なのです。

タイム記録によって、選手個人やクルーの実力を正しく評価することができます。
エルゴ、技術、スピード、体力、心理やボート意識までも数値から読み取れる情報がいくつもあります。
典型的なのはレースタイムですね。これを見て、レース展開と実力比較やコンディションの変化、クルーの特長、さらにレース映像まで鮮やかに浮かんでくるのです。タイムへの意識をもって取り組めば、漕手もCOXも伴走のサポートも、「この漕ぎならこのタイムが出ているだろうな」ということが必ずわかってきます。こうした域に到達して、より確度のあるトレーニングとレース目標達成に取り組めるチームになっていきましょう。





1.主観を大切にするか?客観を大切にするか?
ボート競技では自分の好む漕ぎ方に選手を当てはめる指導がしばしば見受けられます。(他競技にもあると思いますが)それで確実にタイムが上がり、パワーが出しやすく、疲れにくく、リズムとリラックスを生み出すならよいのですが、自らの経験に頼るのでなく、その根拠が大切です。
そういう私自身も、教えるとしたら「こういう漕ぎがいいよ」とすすめる方法があります。それは、タイムに直結する目的で教えます。(故障を防ぐ目的もあります)ボートは艇速を競い、一番速いタイムを出したクルーが勝つ競技です。私の場合ですが、見た目の美しさよりもスピードを優先します。今でも、指導者の多くがなぜ空中の目に見える技術を重視するのだろうと私は思います。水中の推進力になる部分と、艇のパフォーマンスに関する技術を養った方がすぐに艇速につながると考えます。確かに見た目にパフォーマンスが表れますが、内側を変えることによって、外からの見た目にも反映されます。人の動きを揃えるよりも、艇の動きをより速く強くする技術を優先し、タイム向上を技術向上ととらえるようにしましょう。

なぜか。レースになったら、必ず「あと何秒ほしい」という切迫した状況に置かれるからです。準決勝の当たりで5秒も負けている優勝候補と同じ組になったら、「もっとクルーのキャッチとフィニッシュのタイミングを合わせよう。予選のビデオでは微妙にブレードのタイミングがずれている。もっと合わせて、見た目を完璧に揃えるんだ。そうしたら勝てる」という方針を立てるのか。
「ラップ1秒上げてもまだ予選の相手より1秒足りない。しかも、準決勝で相手はさらに3秒上げてくるかもしれない。予選ではリズムが重く、水中もレートも鈍かった。予選でレート低かったぶん、準決勝はスタート2秒改善できるだろう。第2では予選でのコンスタント34を今度は36でキープし、そこのコールに全員集中しよう。第3は早め早めに水中コールをかけ、ラストは400mのロングスパートで体力使い切ろう。練習で出したタイムとエルゴから行けば、俺たちは必ずあと8秒以上上がる」といった、数字をもとに方針を立てるのか。

前者は主観で「合わせる」ということを大事にし、後者は「艇速」に対しアプローチをしようとしているかと思います。また、前者は客観的な根拠としてビデオの見た目のタイミングを頼りにし、後者は客観的な根拠としてタイムによるデータを頼りにしています。どちらも結局は評価として主観が入るのですが、私としては表向きの見え方を改善するよりタイムを正しく評価した上で活用したいと思います。
タイムという客観的なデータを理解し活用することによって、主観による把握も客観性が出てくるようになります。
「この見え方ならこれくらい艇速が上がってタイムがこれくらい出る」、こういう評価ができるように、タイム意識、タイム感覚を高めて、主観による評価にできるだけ客観性が加わるようにしていきましょう。こうした学習による評価の力は、思いつきではない、確かなボートの意識として選手にもコーチにも大事なタイム意識となっていくことと思います。





2.タイムの解釈、レース結果の解釈に幅を持たせる
レースの勝敗は、いつも時の運というところがあります。しかし、一度結果が出てしまうとそれを絶対視したり勝手にランキングしたりします。
例えば、予選タイム M8+
1位 A大学 1'22"8-2'48"9-4'16"8-5'46"2
2位 B大学 1'23"1-2'50"0-4'18"2-5'46"5
3位 C大学 1'25"3-2'52"4-4'18"4-5'47"2
4位 D大学 1'24"2-2'53"0-4'23"5-5'54"5
5位 G大学 1'27"1-2'56"0-4'27"6-5'56"2
6位 E大学 1'26"5-2'55"3-4'27"8-5'59"6
7位 F大学 1'25"3-2'54"1-4'26"8-5'59"8
8位 H大学 1'26"0-2'56"2-4'28"5-6'00"7

インカレ予選タイムの上位8クルーがこんな感じだったとします。あくまで仮定で適当に設定しましたが、前回の新人エルゴみたいに意外とリアルな数字ですかね(笑)
まず、ここでタイムの全体評価をし、インカレというレベルでしかも予選、5'46~5'47が3クルーもあって、比較的良コンディション、しかもペース的にもほぼ静水無風かやや順くらいで行われただろうと推測できます。このへんは現在の大学レベルも評価基準に入れて、場合によっては最高到達タイムが5'40に迫る年もあるかもしれないので、色々な情報を加味します。もしかしたら2秒ほどむしろタイムが出ていないかもしれない、など推測します。
私の場合、2000mトータルタイムもですが、特に第1のスタート500mと、さらに各ラップでコンスタントのスピードをチェックします。各大学、エイトでこのレベルなら対校トップ8のメンバーをほぼ乗せているはずなので、エルゴ予想もある程度できます。いまの強豪大学のトップ8は、M8+のエルゴ平均6'23~6'38くらいまでだと思います。6'40平均では最終日ベスト8は難しいと考えています。

とはいえ、インカレM8+は年々レベルが上がっているので、昨年提案したように6'00切っても敗復落ちの可能性があるのは残酷である、9~12位を決めるCファイナルを用意すべきと思います。さらには、準決勝CDを作ってベスト16位までのDファイナルもM8+のみ特別に用意し、6'10くらいまでのM8+をインカレ最終日で漕ぐ機会を与えるべきだと個人的に思います。そうしないと、M8+を敬遠する大学が増えてしまいます。

話を戻します。上記に挙げたA~Cの5'46付近の3クルーは、確実にどれかが優勝するでしょう。予選タイム1位といっても、このタイム3つなら、A大学が一番強いなんてことは全然言い切れません。
10回レースをやれば10回結果が入れ替わるくらいほとんど同じ実力だと思いますが、予選なのでまだ力を出し切れていません。ここで例えば、B大学とC大学が予選でぶつかっていたとすると、お互い予選1位上がりを狙ってのデッドヒートだったと予測できるので、伸びしろとしてはA大学が優位と見ます。A大学とD大学が予選対戦していたとすると、1000mで水をあけたA大学に対し、D大学は後半リズムが上がらなかったか温存したかで、力を出しての5'54ではなかったかもしれない予測もできます。
一見、スタート500mもA大学が1'22台で優秀、1000m通過も唯一2'48で抜けているようにも見えるのですが、B大学とスタート500mは0.3秒差、B大学は1000mも2'50ジャストです。まったく変わらないと見ることができます。0コンマ以下の数字も見落とさないことですね。そして計測現場を知っていれば、ほんとうに0コンマのずれはよく起こるので、あまり絶対視しないことです。
また、もちろん各500m地点の計測ラップなので、途中の展開もさまざまにイメージします。500mでは1位でも200mで2番手や3番手なんてよくあるし、まれに一度並ばれたりかわされてからスパートかけて抜き返す展開も起こっていたりします。

上位3つ、A、B、Cの決勝進出は堅そうですが、D~Gまでの決勝争いはどうでしょうか。そもそも、敗復の当たりや番狂わせで、予選8位までが順当に準決勝に進むことが滅多にないのですが、準決勝に上がると仮定すると、どこが来るかまったく見当がつきませんね。私の中で、予選結果の5秒差は差がないのと同じなので、じゅうぶん挽回できるタイム差です。そうした予測をするのも、タイムとはそのクルーの常に出せる実力ではなく、このレース一度きりの瞬間の結果だからです。

エルゴスコアもそうです。レースもエルゴも、とびきりのレコードや大幅ベストを出すと自分も舞い上がったり、あたかも必ず出せる永遠の勲章かのように勘違いしがちですが、そのとき一瞬だけの結果です。毎回出せるとは限らないどころか、そのベストが生涯ベストの最後かもしれないのです。しかも、その瞬間最大風速のスコアやタイムが、ランキングとなってさまざまな位置づけに使われます。このように、タイムやスコアは一人歩きしがちなところがあるので、冷静に、かつ何度か測定した平均値をとるなど幅を持った評価をするのがおすすめです。

予選A組と予選D組にコンディション変化はなかったか、アクシデントのような変なラップタイムはなかったか、レース展開の中で厳しくお互い実力を出し切るタフな展開だったか、その逆で早々に水があき楽な展開だったか、ラップタイムや2000mタイムから読み取れる得意なスタイルや先行型かイーブンペースか後半型かも含めて、さまざまな情報をタイムから読み取り、レースイメージを頭に浮かべ、シーズンの勝負がかかった大一番のレースでの紙一重の展開に役立てていただきたいと思います。





3.イーブンペースとは
有名ブログ、「漕艇日記」さんの記事で、現在日本代表が取り組んでいる有酸素トレーニングの効用について、さっそく先日の軽量級でその傾向が現れていたことが書かれていました。
「17年度春季トレーニング64」

記事より引用させていただきます。
『ギザビエ氏いわく、「前半飛ばして乳酸を溜め込んでまで得られる第1Qでのアドバンテージは、せいぜい2秒程度。その2秒を稼ぐために、後半大幅にタイム落ちしていては、世話無いよ」ということでした。』

この、前半飛ばして第1で2秒稼いでも意味がないというギザビエ氏の言葉は、コーチを始めた15年以上前から私も言っていた言葉であり、世界トップの選手も同じことを言ってるんだなあとちょっと嬉しくなりました(笑)。
「第1Qの2秒ほしさに、2000mトータルで5秒あるいは10秒を失わないように」と、私の場合は言っていました。当たり前ですが、2000mトータルで5秒ないし10秒短縮するほうが大事です。

特にエルゴです。例えば、1'40のコンスタントを出せる選手は、1'35-1'40-1'45-1'45というラップで6'45を出せていたとします。一見、ラップが落ちる後半が課題なのですが、実は飛ばし過ぎる前半が課題なのです。特に第2のコンスタントで早くもラップが上下し出した状態で何とか1'40のラップをキープしても、おそらく第3以降、1'42~1'50近いたいへん不安定な水中表示になっているでしょう。良い漕手はラップ変動がほとんどなく、水中が一定、レートとリズムが一定です。この安定的なペースマネジメントは、レースでのスピードマネジメントにも如実に反映されます。安定した水中とスピードキープは、一流クルーの証です。
この場合、第1Qを1'37あるいは1'38くらいに抑えて、要はスタートスパートをなるべく短くしていけば、1'38-1'40-1'40-1'37と、前半からだいたいイーブンでラップを刻んでいくことで体力使い切りのラストアタックが可能になり、6'37とかあるいは上のように最大6'35くらいまでの大幅ベスト更新が可能だったりします。誰でもうまくいくわけではなく、イーブンペースができる有酸素トレーニングが前提に必要なのですが、全力かつ疲れにくいドライブを続け、リズムを一定にして、かつ徹底した有酸素トレーニングで実現できるのです。

とはいえ、レースにおいては、昔からボートは先行有利だったり、やはりスタート500mでとるリードは主導権を握るレース展開として優位に運べます。ただし、絶対的にそんな展開作りを無視するかのようなイーブンペースのクルーもいます。最近でその代表格は、キウイペアことNZのマレーとボンドのM2-でしょう。まともにぶつかってもコンスタントでかなわないから少しでもリードをとりたいとスタートから飛ばすクルーに対し、最初はSR40程度で300mくらいまでは3、4番手を進むのですが、そのSR40のまま全く失速せずにライバルを抜き去ります。それ以降は水をあけ続けるNZの独壇場となります。これは、NZが加速したのではなく、周りが落ちただけなのです。NZはイーブンのままです。そのイーブンペースが徹底していると、こういう展開になります。

ボートでは昔からこうしたイーブンペースが席巻しており、ギザビエ氏の実践しようとしていることは、何も目新しいことではなく、ボートの伝統を再現しようとしているだけです。この低レートトレーニングは王道であり、しかしこれまでの日本のトレーニングと違うのはひたすら徹底するところにあるかと思います。
しかし、低レートのみのトレーニングだけだと、大学から始めた未経験選手のようなレース経験の浅い選手の場合、ハイレートのテクニックが養われない部分があります。
ハイレート、つまりレースペースでのスプリントとコンスタントの練習は、私は技術練習だと思っており、低レートの力ずくでもかなりタイムが出る艇の動きとは違い、ハイレートは出力にもつながりにもキャッチタイミング艇の立ち上げ、テンポとリズム、艇の抵抗と浮力、安定感や精神のリズムなどさまざまに低レートとは質が変わるところがあるので、ハイレートはかなり量は必要かなと思います。スタートスプリントやコンスタントでの艇の動かし方やコントロールが身についた漕手は、存分にそこのレースをイメージした低レートでひたすら量を漕いでほしいと思います。
ギザビエ・ドルフマンのシドニー五輪フランスLM4-クルーは、スタートスプリントもラストスプリントもたいへん強力でした。実際、コンスタントよりもこの第1第4の強さが印象に強かったほどです。ハイレート指導もしっかり行ってくれるでしょう。

重たくても強引にタイムを出してはハイレートで頭打ちになる「低レートの王者」ではなく、「真の王者」としてハイレートで素晴らしいペースで疾走し後半にかけて尻上がりにレースを加速させるトップ選手になれるのではないでしょうか。
まあ、スタートでも多少の負担はかけてトップスピードに乗せ、絶好の位置につけたいところもありますが!





4.日本代表に寄せる期待
そんな中、先にふれた軽量級ではLM1X見事優勝されたN野選手をはじめ、こうしたトレーニングの成果に手応えをつかんだ代表選手もいらっしゃるようでした。しかし、真価が問われるのは世界でのレース。そして、世界基準のタイムが出せるかどうか。その世界基準のタイムやエルゴを出して、そこからが勝負だと思っています。
今週末、6/16(金)~18(日)、ワールドカップ第2戦(ポーランド、ポズナン)にて、いよいよリオ五輪以来仕切り直しての東京五輪に向けた日本代表の緒戦がはじまります。

リストを見ると、
LM1X JPN1 F井選手、JPN2 T田選手
LM2X JPN1 S:I田選手、B:S藤K選手 JPN2 S:O元選手、N良選手
M1X JPN1 A川選手、JPN2 K原選手
LW1X JPN1 T田選手、JPN2 T島選手
W1X JPN S原選手

という陣容です。
激戦は五輪種目、LM2Xですかね!リオ五輪金のフランス(Sアズー、Bウァン)、同じく銀のアイルランド(Sゲリー・オドノバン、Bポール・オドノバン)など2強が早くも出てきます。リオ翌年なので、各国列強はどこまで仕上げているか分かりませんが。
また、LM1Xでは軽量級に出てLM4X優勝した香港の趙選手(CHIU HIN CHUN)選手や鄧選手(TANG CHIU MANG)。LW1Xでは同じく軽量級LW1X優勝の李嘉文選手(LEE KA MAN)が出てきます。

しかしもう一つの注目は日本による重量級参戦でしょう。ぜひ、JAPANのオープン選手が世界トップで戦ってほしい!
M1Xにはリオ五輪あの写真判定の銀メダリスト・クロアチアのダミル・マルティン選手が出ますし、A川選手とK原選手はどこまでいけるか。W1Xも、S原選手が出ます。W1Xにはリオ五輪W2X銀でレアンダークラブ所属のソーンリー選手、さらにリオ五輪金ドイツW4Xバウのティーレ選手が出ますね!リオ五輪最強アメリカW8+のシュメッターリング選手もW1X参戦予定のようです。色々世界Rowingを調べているうちに詳しくなりすぎていますが(笑)、他にもビッグネームがたくさんです!

日本が出ない種目でも、W8+は今シーズン世界選手権に向けて12年連続世界一の偉業がかかるアメリカが出てきますが、何と中国がW8+2杯出し!?まじか?
M4-はイギリスがまたタレントを揃えていますが、M8+は若手中心のようでワールドカップはドイツかな・・・。世界選手権はどうか。
こんな感じで、色々とワールドカップ第2戦、見どころ満載です!もちろん日本代表を応援するわけですが、世界Rowingが好きなボートファンは増えている感じがしますので、世界トップ選手のレースぶりも見逃せませんね!

まだまだ時間はかかると思うのですが、新しい日本の戦いを、ぜひトレーニングの成果を見せてほしいと思います。






タイムに関しては、こちらもまだまだ奥深いテーマ。色々な見方や考え方ができると思います。
陸上の短距離走から長距離走まで、あるいは競泳など、およそレーススポーツにおいてタイムとの戦いであり、このタイムという数字をいかに実際のパフォーマンスとつなげて理解することができるか。トップのタイムを出し、さらにその上で相手との極限のスピード争い、駆け引き、戦略や戦術に勝っていくことがレースの勝負です。

ほとばしるような艇のスピードを生み出して、ライバルと、そして未知のタイムとのデッドヒートを制し限界をこえる勝負を楽しんでいきましょう!!

本日先ほど、インカレだけでなく全日本も10月28(木)~31日(日)に延期という日ボHPでの発表がありました。
残念ながらそのコース日程確保のため全日本新人は今年も中止とのことです。

まだ感染状況次第で未定のところがありますし、開催方法が白紙になったようなので急ぎ開催について決まり次第、インカレおよび全日本の内容の変更が後日発表されるようです。



延期で大会の開催方法がどうなるか未定であると前置きしつつ、ここでは仮定でのお話を進めていきます。

この延期で大会が開催できると仮定して、これはインカレと全日本の同時開催、併催ということでしょうから、まず大学チームは全日本も狙えるような強豪チームも含めほぼすべてインカレ出場を優先するだろうと思われます。インカレ優勝レベルのクルーがインカレではなく全日本出場を選ぶことは考えにくいです。そのままインカレ優勝をねらうでしょう。全日本タイトルにこだわりたい大学チーム、あるいは一部種目のレベルが手薄になりそうな全日本のほうが狙えるとして全日本を選択する大学チームも出るかもしれませんが・・・。仕方がないことではありますが、全日本での大学トップクルー対社会人トップクルーの真剣勝負は今年は叶わないかもしれません。インカレに出られないので全日本を選ぶという大学チームの下位クルーも多くはないでしょう。したがって、大学勢はほぼインカレ、社会人は全日本、という感じで全日本が社会人選手権化する感じになるのではと。そして感染拡大防止のため大会の規模を小さくしたいわけですので、もしかすると全日本もインカレも、種目やクルー数を減らしての開催が考えられます。
当然どちらもフル種目でやってほしいところですので、日ボへの希望としてはインカレ全日本の別の日程というのが無理であれば、せめて全日本は決勝だけとか。
全日本はほぼ社会人だけのエントリーになれば、決勝だけの開催なら出漕選手数はともかく、レース数は各種目1レースだけにおさえられます。


例えば昨年2020年の全日本での各種目、全体エントリー数に対して社会人やクラブのエントリー(カッコ内)は以下のとおりです。
※逆に、社会人クルーを引いた数字がほぼ大学クルーの数となります。

2020全日本の出漕クルーと社会人クラブ数
M1X 20(10)・・・K電、T田中、M重選抜、○TT、Dイキ、I治造船、MY生命、Tレ、N本製鉄、Y浜漕艇
M2X  9(2)・・・Iリス、I治造船
M2- 11(5)・・・○TT、Tレ、N本製鉄、M重選抜、T田中
M4X 14(4)・・・N本製鉄、K視庁、T.RC、S川リフラクトリーズ
M4- 13(3)・・・○TT、T田中、C電
M4+ 16(2)・・・K電、S田漕艇
M8+ 16(5)・・・○TT、Tレ、T紡織、MY生命、C電
社会人クラブの男子 全31クルー、107名

W1X 15(9)・・・T自動車、○TT、Pリントパック、T.RC、ALL諏訪、MY生命、S田漕艇、Gふジュニア、○A仙台
W2X 15(7)・・・Iリス、MY生命、T田中、C電、M重選抜、I治造船、Dソー
W2-  5(1)・・・Dソー
W4X 11(4)・・・K電、MY生命、Dソー、C電
W8+  9(1)・・・H陸電気工業
社会人クラブの女子 全22クルー、50名

全体としても意外にも少ない昨年の全日本出漕数、コロナ禍によって規模縮小していたことと、昨年はインカレ2週間前の開催だったので学生のエントリーはやはり少なめだったという点がありますが、社会人とクラブについては今年もおそらくほぼ同数が全日本出漕予定だったと思われます。高校生や中学生のチャレンジクルーが数クルー出漕希望もあると思いますが、全体で5クルー程度など、多くはないはずです。
M1XとW1Xは10クルー近く出漕があると思われ、これは予選2レース、決勝AとBにして4レース確保。他は全部一発決勝というようにできないか。男子フォアはM4+かM4-に統一したほうが見応えが増しますが、伝統ある全日本M4+もM4-も優勝クルーを記録に残したい・・・。W2-、W8+も同様ですね。全日本タイトルなので、1クルーでも決勝やることに意味はあると思います。感染リスクはほぼゼロであるはずです。
全日本は1X以外は全部決勝のみ、ということで種目削減することなく実施されてほしい。予選のみ2日目か3日目などに組み込むなどして最終日決勝をおこなうことはできないでしょうか。(あるいはインカレ準決勝の3日目が全日本決勝など)

そして、インカレは何とか現行種目と規模のまま実施してほしいです。
しかし聞くところだと、9月上旬なら出られたのに、延期だと出られなくなるという大変無念のチームがかなり出てしまうと聞いており、これは本当に残念でなりません。何とか大学や場合によっては自治体にも交渉して、出場の可能性を追い求めてほしいところではあるのですが・・・。

これらを勘案し、インカレがおそらく800名程度(現在エントリーは893名だが、だいたい毎年1割は減る。さらに延期で残念ながら減る見込みもあるので700名くらいにまで減るおそれも)、そして全日本が150名程度の大会規模となる見込み、この大会規模を何とか実施できないものでしょうか。




今年も新型コロナウイルスがさらに新型の変異株となって、日本に、世界に、ボート界にも猛威をふるうことをやめません。
しかし、「コロナに負けるな!」です。逆境に打ち勝って、自分自身の心技体をいかに成長させ、どんな困難も乗り越えるたくましさと知恵や工夫をやしなうのがボート競技で得られる本当の財産になるのだと思います。

選手も運営も、全力でこの難局を乗り越え素晴らしいレースができるよう、さらに戦いの2カ月がはじまります。
変更があるからこそ、よりプラスにとらえ、新しい成長をつかみ取れるようにしていきましょう!